6月も下旬になり、いよいよ今年の折り返し地点が近づいてきました。ただ、私にとっては、今年の最大の目標である2級建築士の受験が7月上旬にあるので、どちらかというと今年のクライマックスに近い状況ですね。そこで、今回は、建築士のテストでどんな問題がでるか、その一部を紹介したいと思います。
2級建築士の試験は、4教科6時間に及びます。1教科当たり90分ですが、25問あり、それぞれ5個の選択肢があるので、結局6時間で500問解くことになります。単純計算で43秒で1問を解かないといけないです。ただ、計算問題のように、一問解くのに10分かかったりするのもあれば、こんなの知らねーと秒であきらめる問題もあるので、ペース配分が重要です。ここでは建築計画という教科にでてくる建築史の問題について紹介します。なお、一部の画像はWIKIPEDIAさんからお借りしました。キーワードはGEMINIに作ってもらいました。
日本建築史
ここでは、飛鳥時代から江戸時代までの有名な建築についても問題がでます。文章で建築物名と文章でその特徴が示されるので、矛盾していないか確認します。
飛鳥時代
伊勢神宮

建築様式: 神明造(しんめいづくり)
屋根の形: 切妻造(きりつまづくり)
入り口の向き: 平入(ひらいり)(※妻入ではない)
柱の工法: 掘立柱(ほったてばしら)(※礎石の上に立てるのではない)
棟を支える柱: 棟持柱(むなもちばしら)(両妻の中心にある)
起源の説: 高床式倉庫(たかゆかしきそうこ)が神社建築に転化したとされ
出雲大社

建築様式: 大社造(たいしゃづくり)
屋根の形: 切妻造(きりつまづくり)
入り口の向き: 妻入(つまいり)(※伊勢神宮は平入)
平面構成: 2×2の正方形の平面(田の字型)
中心の柱: 心御柱(しんのみはしら)
起源の説: 古代の宮殿(住居)が発展したもの(※伊勢神宮は高床式倉庫)
住吉大社

建築様式: 住吉造(すみよしづくり)
屋根の形: 切妻造(きりつまづくり)・直線的な屋根(反りがない)
入り口の向き: 妻入(つまいり)
平面構成: 前後に長い長方形(前後2室に区切られている)
周囲の構造: 柱のまわりに回縁(まわりえん・ベランダのような床)がない
起源の説: 古代の大嘗祭(だいじょうさい)の「大嘗宮(臨時の宮殿)」が起源とされる
奈良時代
春日大社 奈良県奈良市

建築様式: 春日造(かすがづくり)
屋根の形: 切妻造で、屋根の手前側が長く伸びて反り上がっている(曲線的)
入り口の向き: 妻入(つまいり)
最大の特徴: 向拝(こうはい・入り口の前に突き出た屋根)に階隠(はしかくし・庇)がついている
規模: 正面が1つの柱間(約1.8m)しかなく、神社建築の中では小規模な部類
宇佐神宮 大分県宇佐市

建築様式: 八幡造(はちまんづくり)
構造の特徴: 前殿(外院)と後殿(内院)という独立した2棟の建物を前後に並べている
屋根の形: ともに切妻造(きりつまづくり)・平入(ひらいり)
つなぎ目: 2棟を「相の間(あいのま)」でつなぎ、屋根の谷間に大きな金の雨樋(あまどい)を渡している
見た目の特徴: 真横から見ると屋根が「M」の字に見える
賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ) 京都市北区

建築様式: 流造(ながれづくり)
屋根の形: 切妻造(きりつまづくり)・平入(ひらいり)
最大の特徴: 前面の屋根だけがスキーのジャンプ台のように長く伸びて、参拝スペースの庇(ひさし)である「向拝(こうはい)」になっている
屋根の素材: 檜皮葺(ひわだぶき・檜の皮を重ねたもの)
社殿の並び: 同じ形・大きさの「本殿」と「権殿(ごんでん)」が東西に2棟並んで建っている
装飾の特徴: 伊勢神宮などのような屋根の上の飾り(千木・鰹魚木)がない
平安・鎌倉・室町時代
厳島神社

- 配置の特徴: 海の中に建てられており、社殿が満潮時には海面に浮かぶように見える。
- 建築様式の特徴: 平安時代の住宅様式である寝殿造(しんでんづくり)の意匠を取り入れている。
- 構成: 本社(ほんしゃ)を中心に、客神社(まろうどじんじゃ)、これらをつなぐ長い回廊(かいろう)、海に突き出た高舞台(たかぶたい)などで構成されている。
- 床の工夫(超重要): 高潮による建物の崩壊を防ぐため、回廊の床板の間にわざと隙間を開ける「目透かし(めすかし)床」(隙間から波の圧力を逃がす工夫)が施されている。
吉備津神社

建築様式: 比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり・別名:吉備津造) [1, 2]
構造の特徴: 入母屋造(いりもやづくり)の屋根を並列に2つ並べ、同じ高さの棟で結んで1つの大きな屋根にまとめている。上から見ると棟が「エ」の字型になっている。 [1, 2]
ディテール(重要): 東大寺南大門などで知られる、中世の先進的な建築スタイルである大仏様(だいぶつよう)の技法(挿肘木:さしひじきなど)が使われている。 [1]
再建の背景: 室町幕府の3代将軍、足利義満の命によって再建された(中世・室町時代の代表作)。
日吉大社 滋賀県大津市 比叡山

建築様式: 日吉造(ひえづくり・別名:聖帝造:しょうていづくり)
正面(前)の見た目: 入母屋造(いりもやづくり)にそっくりで、前方に庇(ひさし)が伸びている。
背面(後ろ)の見た目(最重要): 屋根の後ろ側をスッパリと垂直に切り落としたような形(縋る破風:すがるはふ)をしている。
入り口の向き: 平入(ひらいり)
床下の特徴: 比叡山延暦寺の守護神(神仏習合)という歴史から、床下に下殿(げでん)と呼ばれるかつて仏事を行った隠し小部屋のような空間がある。
日光東照宮

建築様式: 権現造(ごんげんづくり)
構造の特徴(超重要): 神様が置かれる「本殿」と、人間が参拝する「拝殿」を、一段低い「石の間(相の間)」という建物でつないで1つの社殿にしている。
屋根の形: 入母屋造(いりもやづくり)・平入(ひらいり)。上から見ると凸型(あるいは「工」の字型)に見える。
装飾の特徴: 漆(うるし)塗り、極彩色(ごくさいしき)の塗装、精巧な彫刻(「見ざる言わざる聞かざる」の三猿や眠り猫など)を施した近世(江戸時代初期)の代表作。
以上が二級建築士によく出題される神社の問題です。次は日本建築の様式に関する建築を紹介します。
和様 薬師寺東棟

- 和様の原点: 奈良時代の代表作で、日本独自に洗練された「和様」の出発点。
- 構造: 三重の塔だが、各層に「裳階(もこし)」があり外観は六重に見える。
- 組物: 深い軒を支えるため、複雑な「三手先(みてさき)組物」が本格的に登場。
- 逓減率(ていげんりつ): 上にいくほど屋根が小さくなり、抜群の安定感を持つ。
- 別名: 屋根がリズミカルに重なる優美な姿は「凍れる音楽」と称される。
- 最上部: 相輪の「水煙(すいえん)」に、楽器を奏でる天人が透かし彫りされている。
平等院鳳凰堂

- 和様の完成: 平安貴族の藤原頼通が建立した、和様建築の美しさが極まった代表作。
- 浄土曼荼羅の具現化: 極楽浄土の宮殿をこの世に再現しようとした、極楽往生を願う末法思想の建築。
- 配置の特徴: 庭園の大きな池の中島(池の中の島)に東向きに建てられている。
- 構成: 阿弥陀如来を祀る「中堂」を中心に、左右の「翼廊(よくろう)」、背後の「尾廊(びろう)」からなる。
- 外観の工夫: 翼廊は2階建てに見えるが、実は床板のない平屋(1階建て)の「飾り」である。
- 屋根形式: 中堂の屋根は入母屋造で、その中央に一対の金銅製「鳳凰」が載る。
- 構造: 柱の上には薬師寺東塔から発展した美しい「三手先(みてさき)組物」が使われている。
大仏様(天竺様)
東大寺南大門

大仏様の代表作: 重源(ちょうげん)が中国の宋の技術を導入し再建した、豪快で合理的な新様式。
軸組構造: 貫(ぬき)と呼ばれる水平方向の木材を、柱に何本も貫通させて巨大な構造を固める。
組物の工夫: 柱を直接貫通して突き出させた「挿肘木(さしひじき)」で、深い軒を支える。
天井の省略: 内部に天井を張らず、屋根裏のダイナミックな骨組みをそのまま見せる「化粧屋根裏」。
外観の特徴: 2階建ての「二重門」に見えるが、内部は吹き抜けで床がない「一重(平屋)」の門。
屋根形式: 入母屋造(いりもやづくり)・本瓦葺(ほんかわらぶき)で、力強い外観をもつ。
部材の簡素化: 装飾的な細工を減らし、部材の先端を「遊離(丸く削る)」などして強度とスピードを最重視
浄土寺浄土堂 兵庫県小野市

大仏様の仏堂遺構: 重源(ちょうげん)が建立した、大仏様(天竺様)の最も純粋な姿を今に伝える唯一の仏堂。
屋根形式: 平面は正方形(桁行3間・梁間3間)で、ピラミッド型の「宝形造(ほうぎょうづくり)」・本瓦葺。
合理的な軸組: 巨木な通し柱に「貫(ぬき)」を何本も貫通させ、クサビで固めることで約6mもの広い柱間を実現。
大仏様の特徴: 柱に直接肘木を差し込んでいく「挿肘木(さしひじき)」の技術で、大きな屋根をダイナミックに支える。
小屋組の露出: 内部に天井を張らずに、太い虹梁(こうりょう)と束を積み重ねた骨組みをそのまま見せる「化粧屋根裏」。
光の演出(来迎): 西側の壁が一面の「蔀戸(しとみど)」になっており、夕暮れ時に西日が堂内へと差し込む設計。
極楽浄土の表現: 西日を受けた床の朱塗りが乱反射し、快慶作の国宝「阿弥陀三尊立像」が黄金に浮かび上がる
禅宗様(唐様)
円覚寺舎利殿 神奈川県鎌倉市

禅宗様の最高峰: 豪快な「大仏様」とは対照的に、部材が細く、精緻で緻密な細工が施された様式。
屋根形式: 入母屋造(いりもやづくり)で、柿葺(こけらぶき)の急勾配な屋根を持つ。
屋根の反り: 中国風の鋭く強い「屋根の反り」が、外観の大きな特徴となっている。
外観の構造: 各層に裳階(もこし)がつくため、二階建てに見えるが、実際は一階建て(平屋)。
垂木の工夫: 軒下の垂木が、中央から扇の骨のように放射状に広がる「扇垂木(おおぎだるき)」。
組物の配置: 柱の上だけでなく、柱と柱の間にもびっしりと組物を並べる「詰組(つめぐみ)」。
窓のデザイン: 上部が逆宇(波打つ曲線)のような形をした、独特な「花灯窓(かとうまど)」。
床の構造: 和様のように床を張らず、内部は地面と同じ高さの「土間(どま)」である。
柱の仕上げ: 柱の上下の端を丸くすぼめるように削った「粽(ちまき)柱」を採用
正福寺地蔵堂 東京都東村山市

禅宗様の確定遺構: 解体時に1407年建立の墨書が発見され、建立年代が正確に判明している最古級の禅宗様仏殿。
舎利殿との共通点: 構造、規模、形式のすべてが、鎌倉の円覚寺舎利殿と「双子」のように酷似している。
屋根形式: 平面はほぼ正方形で、柿葺(こけらぶき)の入母屋造(いりもやづくり)。
外観の構造: 一重裳階(もこし)付きで、外観は二階建てに見えるが、実際は一階建て(平屋)である。
鋭い反りの屋根: 軒先(屋根の端部)が上に向かって大きく、鋭く反り上がっているのが外観の大きな特徴。
垂木の工夫: 軒下の垂木が、中央から放射状に広がる「扇垂木(おおぎだるき)」の技法を採用。
組物の配置: 柱の上だけでなく、柱の間にも隙間なく組物を並べる「詰組(つめぐみ)」で屋根を支える。
窓のデザイン: 禅宗様特有の、上部が波打つ曲線で構成された「花灯窓(かとうまど)」を持つ。
床の構造: 内部は和様のような板床を張らず、地面と同じ高さの「土間(どま)」で構成されている。
東京の至宝: 迎賓館赤坂離宮と並び、東京都内に2つしかない「国宝建造物」の1つ(木造としては唯一)。
禅宗様と和様のハイブリッド
鹿苑寺金閣

正式名称と構成: 正式名称は鹿苑寺金閣で、室町時代の北山文化を代表する3層の楼閣建築です。
第1層(法水院): 住宅風の寝殿造(和様)で、平座敷にアミダ三尊像などが安置されています。
第2層(潮音洞): 鎌倉時代の武家住宅風の書院造(和様)で、外壁に漆が塗られています。
第3層(究竟頂): 仏堂風の禅宗様(唐様)で、床は黒漆塗り、内外に純金の箔が貼られています。
屋根の形状: 柿(こけら)葺きの宝形造で、頂部には金銅製の鳳凰が据えられています。
その他の出題特徴: 鏡湖池に臨んで建つ池泉回遊式庭園の中心で、各層で建築様式が異なるのが特徴です。
現在の在来工法にたどりつくまでに寝殿造→主殿造→書院造→数寄屋造の変遷をたどっています
- 寝殿造(平安): 貴族の住まい。中央の「寝殿」から「対の屋(たいのや)」へ「渡殿(わたどの)」という廊下で繋ぐ対称的な配置。
- 寝殿造の内部: 内部は壁や間仕切りがほとんどない大空間で、「御簾(みす)」や「屏風(びょうぶ)」などの動かせる家具で仕切る。
- 書院造(室町〜桃山): 武士の住まい(主殿造からの発展)。部屋が「襖(ふすま)」や「障子(しょうじ)」で完全に区切られる。
- 書院造の特徴: 床の一部を一段高くした「上段の間」があり、「床の間(とこのま)」「棚」「付書院(つくしょいん)」がセットで備わる。
- 書院造の畳: 寝殿造では人が座る場所にだけ置いていた畳を、部屋全体に敷き詰める(畳敷き)ようになる。
- 数寄屋造(江戸): 書院造をベースに、茶室の風雅で自由なデザイン(丸太柱や土壁など)を取り入れた、格式張らない数寄屋風の住宅。
ここまでが日本の建築史でここからは世界史です。世界史は以下の時代ごとに有名な建築の問題がでます
ギリシャ時代
パルテノン神殿

様式: 古代ギリシャを代表する、質実剛健で力強いドリス式オーダー(柱の様式)の最高傑作。
構造: 石造(大理石)の柱で周囲を囲んだ「周柱式(しゅうちゅうしき)」の平屋の神殿。
柱の特徴: ドリス式のため柱の根元に台座(柱基)がなく、床(スタイロベイト)に柱が直接立っている。
視覚補正(超重要): 建築が完全に真っ直ぐだと中央が凹んで見えるため、床や梁をあらかじめ中央が高くなるよう緩やかに湾曲させている。
エンタシス: 柱の中ほどに、下から見上げたときに均整が取れて見えるような膨らみ(エンタシス)を持たせている。
柱の傾斜: 建物が外側に広がって見えないよう、周囲の柱をすべてわずかに内側へ傾けて立てている。
柱の彫刻: 柱の表面には、縦方向にフルーティングと呼ばれる「フルート(溝)」が彫られている。
ローマ時代
コロッセウム

構造: ギリシャの石造(大理石)とは異なり、ローマが発明した「煉瓦(れんが)」と「コンクリート」を用いたアーチ構造。
外観の工夫(超重要): 外壁は4層(4階建て)で構成され、各階の柱に異なる種類の「オーダー(柱の様式)」が配置されている。
1階の柱: 最もシンプルで力強い「ドリス式(トスカナ式)」の柱を採用。
2階の柱: 渦巻き模様の装飾を持つ「イオニア式」の柱を採用。
3階の柱: アカンサスの葉をモチーフにした華麗な「コリント式」の柱を採用。
4階の壁: 柱ではなく、平らな柱(付け柱)が並ぶ壁面構成となっている。
階段状の客席: 斜面を利用せず、アーチ構造の骨組みの上に約5万人を収容できる階段状の観客席を自立させた。
地下構造: 闘技場の床下には、猛獣の檻や演者を舞台へ送り出す人力のエレベーターなどの複雑な舞台裏(地下室)が広がる
パンテオンhttps://pamon.sekaken.jp/wh-list/rome/pantheon/

- 円堂(ロトンダ): ギリシャ風の柱並びの奥に、巨大な「円柱形の建物」がドッキングしたユニークな構成。
- 巨大ドーム: 内部は、直径・高さがともに「約43.2m」の完璧な球体がすっぽり収まる巨大な半球形ドーム空間。
- 無筋コンクリート: 鉄筋を使わない「無筋コンクリート(石と火山灰のモルタル)」で作られた古代最大のドーム。
- 屋根の軽量化(超重要): 上にいくほどコンクリートに混ぜる石を「軽い軽石(かるいし)」に変え、厚みも薄くして重量を減らしている。
- 格子状の凹み(格天井): 天井の内側には「格間(コフレ)」と呼ばれる四角い凹みが規則正しく彫られ、美観と軽量化を両立。
- トップライト(オクルス): ドームの頂部には、直径約9mの「眼(オクルス)」と呼ばれる、ガラスのない丸い開口部(天窓)がある。
- 光の演出: 唯一の光源である天窓から差し込む太陽光が、時間とともに堂内を時計の針のように照らし出す神秘的な設計。 [1, 2, 3]
ビザンチン時代
ハギアソフィア

- 様式と立地: トルコのイスタンブールに建つ、大ドームが特徴のビザンチン建築の最高峰。
- 平面の融合: 縦に長い「バシリカ形式」と、中央にドームを置く「集中形式」を融合させた平面構造。
- 巨大ドーム: 身廊(中央空間)の真上に、直径約31mにも及ぶ巨大な中央大ドームが架けられている。
- ペンデンティヴ(最重要): 「ペンデンティヴ」という球面三角形の部材を使い、四角い柱の上に丸いドームを載せる技術を採用。
- ドームの支持: 中央大ドームの荷重を、東西にある2つの「半ドーム」と南北にある4つの巨大な「バットレス(控え壁)」で支える。
- 光の演出: ドームの基部(根元)に40個の小窓が並び、差し込む光によってドームが宙に浮いているように見える。
- 歴史の変遷: キリスト教の総本山として建てられたが、のちにオスマン帝国により「モスク(回教寺院)」へと転用された。
サンマルコ大聖堂

立地と様式: イタリアのヴェネツィチアに建つ、ハギア・ソフィア大聖堂と並ぶビザンチン建築の最高傑作。
平面形状(最重要): 縦と横の長さが同じ、ビザンチン特有の「ギリシア十字形」の集中式平面プランを持つ。
ドームの配置: 十字の「中央交差部」と「4つの枝(先端)」の上の計5箇所に、大きなドームが載っている。
ペンデンティヴ: 四角い壁の上に丸いドームを載せるため、球面三角形の「ペンデンティヴ」の技術が使われている。
二重ドーム構造: 堂内用の低いレンガ製ドームの上に、外観を大きく見せるための木製「外殻ドーム」を被せている。
内部装飾: 聖堂の内部は、壁面から天井に至るまで、きらびやかな「黄金のモザイク画」で埋め尽くされている。
外観の融合: 正面(ファサード)は、後世に付け足された「ゴシック様式」の尖塔などが融合した独特の姿を持つ。
ロマネスク時代
ピサ大聖堂

立地と様式: イタリアのピサに建つ、厚い石壁と半円アーチを特徴とするロマネスク建築の代表作。
平面形状: サン・マルコ大聖堂(ギリシア十字)とは異なり、入口から奥に長い「ラテン十字形」の平面を持つ。
大聖堂の構成: 本堂(大聖堂)、洗礼堂、そして「ピサの斜塔」として有名な鐘楼の3つの建物で構成される。
外観の美しさ: 白大理石をベースに、緑色の銘石を組み合わせた美しい色彩のストライプ模様の外壁を持つ。
正面のデザイン: 正面(ファサード)には、小柱を並べた「開連拱廊(オープンギャラリー)」が何層も重ねられている。
交差部のドーム: ラテン十字が交差する中央の真上には、楕円形(卵型)のドームが載っている。
天井の構造: 当時のロマネスク特有の重い石造天井ではなく、内部は木造の平天井(格天井)で軽量化されている。
ヴォルムス大聖堂

立地と様式: ドイツのヴォルムスに建つ、力強く重厚な外観を持つロマネスク建築の傑作。
平面形状: 身廊の両側に側廊を配した「三廊式(さんろうしき)」のバシリカ形式。
二重内陣(最重要): 東側だけでなく、西側(皇帝用)にも祭壇(アプス)を設けた「東西二重内陣」の平面構成。
塔の配置: 東西の内陣と交差部(主ドーム)の周囲に、計「6つの塔」が林立する独特の外観。
外壁のデザイン: 壁面を飾るため、小さなアーチを連続させた「ロンバルディア帯」という装飾が施されている。
素材の特徴: 地元で採れる「赤い砂岩」を使って建てられており、荘厳で落ち着いた内観を持つ。
歴史的事件: 建築史の範囲外ですが、1521年に「マルティン・ルター」が異端審問にかけられた歴史の舞台としても有名
ゴシック時代
ノートルダム大聖堂

- 立地と様式: フランスのパリのシテ島に建つ、天高く伸びる空間を特徴とした初期ゴシック建築の最高傑作。
- 平面形状: 入り口から奥へ長く、身廊の左右に2本ずつの側廊を配した「五廊式」のラテン十字形平面を持つ。
- 飛控え壁(最重要): 「フライング・バットレス(飛控え壁)」という外側のアーチで、高い壁に架かる屋根の重さを外へ逃がす構造。
- 大開口の実現: フライング・バットレスのおかげで分厚い石壁が不要となり、壁に巨大な窓を開けることが可能になった。
- 光の演出: 巨大な窓にはめ込まれた、聖書の物語を描く美しい「ステンドグラス(バラ窓)」から光が堂内を満たす。
- アーチの工夫: 上部が尖った「尖頭(せんとう)アーチ」を使い、半円アーチ(ロマネスク)よりも天井を高く、広く架けた。
- 天井の構造: 4つまたは6つのパーツに分割して強度を高めた、ゴシック特有の「肋骨(ろっこつ)交差穹窿(リブ・ヴォールト)」の天井。
- 正面の構成: 西側正面(ファサード)には、3つの大きな入り口(ポルタル)の上に2棟の巨大な方形塔がそびえ立つ。 [1, 2, 3, 4, 5]
ミラノ大聖堂

- 立地と様式: イタリアのミラノに建つ、世界最大級のゴシック様式を誇る大理石造りの大聖堂。
- 平面形状: 入り口から奥へ長く、中央の身廊の左右に2本ずつの側廊を持つ「五廊式」のラテン十字形平面。
- 外観の特徴: 屋根の上に「135本もの尖塔(ピンナクル)」が林立し、それぞれに精巧な聖人の彫刻が載る独特な外観。
- ゴシックの構造: パリのノートルダム大聖堂と同様に、「フライング・バットレス(飛控え壁)」が美しい外骨格として建物を支える。
- 天井の構造: 荷重を効率よく支える、ゴシック特有の「リブ・ヴォールト(肋骨交差穹窿)」天井を採用。
- 開口部: 祭壇奥などの巨大な窓には、聖書の場面を色鮮やかに描いた大規模な「ステンドグラス」がはめ込まれている。
- 独自の融合: アルプス以北のドイツやフランスのゴシック技術を取り入れつつ、イタリア伝統の「白い大理石」で全面を覆っている。
ルネサンス時代
フィレンツェ大聖堂

立地と様式: イタリアのフィレンツェに建つ、オレンジ色の巨大ドームが特徴のルネサンス建築の代表作。
ドームの設計者: 天才建築家フィリッポ・ブルネレスキが、難題だった巨大ドーム(クーポラ)の設計を完遂。
ドーム(最重要): 直径約45mにおよぶ、型枠(仮設の足場)を組まない独自の工法で建てられた世界最大の石積ドーム。
頂部の意匠: ドームの最上部には、初期ルネサンス様式でデザインされた採光用の「ランターン(灯籠)」が載る。
外装の特徴: ピンク、緑、白の3色の大理石を組み合わせ、ルネサンスらしい「幾何学模様」で装飾されている。
構成: 大聖堂本体のほかに、隣り合う「ジョットの鐘楼」や「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」の3つから構成される。
正面の変遷: 正面(ファサード)は19世紀に「ネオ・ゴシック(ゴシック復興)様式」として最終完成した
バロック時代
ヴェルサイユ宮殿

様式: フランスのパリ郊外に建つ、古典主義の端正さとバロックの豪華さが融合した壮大な宮殿。
外観: イタリアの動的なバロックとは異なり、直線を基調とした「左右対称」の極めて静的なデザイン。
鏡の間(最重要): 建築家マンサールが手がけた、全長約73mに及ぶ豪華絢爛な大回廊。
光の演出: 庭園に面した17のアーチ窓と、それに向かい合う壁に「357枚の鏡」を配置して光を増幅。
天井画: 宮廷画家ル・ブランにより、ルイ14世の軍事や政治の功績を称える華麗な絵画が描かれている。
庭園様式: 造園家ル・ノートルが設計した、軸線(見通し線)に沿って幾何学的に配置された「フランス式整形庭園」の典型。
政治的意図: 贅を尽くした宮殿に貴族を住まわせ、王の「絶対的な権力」を国内外に誇示する舞台装置であった
サンピエトロ大聖堂

立地と様式: バチカン市国(ローマ市内)に建つ、ルネサンスとバロックの巨匠たちが世紀を跨いで完成させた世界最大級の聖堂。
平面計画: 当初ブラマンテやミケランジェロは「ギリシア十字形」を計画したが、最終的に奥へ長い「ラテン十字形」へ変更された。
大ドーム(最重要): ミケランジェロが晩年に設計した、内径約42mにおよぶ巨大な二重殻構造のドーム(クーポラ)。
ドームの支持: フィレンツェ大聖堂を模範とし、仮設足場を最小限に抑えるため「リブ(肋骨)」で補強した構造を採用。
正面のデザイン: 建築家マデルノが手がけた、古典的なオーダー(柱)を巨大なスケールで並べたダイナミックなファサード。
広場の構成: 建築家ベルニーニが設計した、聖堂の正面に広がる巨大な「楕円形」のサン・ピエトロ広場とそれを取り囲む回廊。
内部の装飾: ベルニーニによる大ドーム直下の巨大な青銅製大天蓋(バルダッキーノ)など、豪華絢爛なバロック彫刻で埋め尽くされている。
ここからは全世界の近代史です
サグラダファミリア

立地と様式: スペインのバルセロナに佇む、ゴシックの垂直性と有機的な曲線を融合させた唯一無二のバシリカ。
自然主義の思想: ガウディの「直線は人間のもの、曲線は神のもの」という思想に基づき、細部まで植物や生物を模したデザインが特徴。
3つのファサード: キリストの生涯を表す「生誕(東)」「受難(西)」「栄光(南)」の3つの壮大な門で構成される。
世界遺産の指定: ガウディ存命中に作られた「生誕のファサード」と「地下礼拝堂」のみがユネスコ世界遺産に登録。
革新的な構造: 力学的な安定を計算するため、紐と重りを用いた「逆さ吊り模型(フニクラ)」の実験から構造を導き出した。
聖堂内部の意匠: 内部の柱は天井に向かって枝分かれし、まるで「生命あふれる巨大な森」に迷い込んだかのような空間を演出。
光の演出: 東側からは青や緑、西側からは赤やオレンジの鮮やかなステンドグラスの光が差し込み、堂内を幻想的に彩る。
シンボルの塔: 完成時には18本の塔が林立し、中央の「キリストの塔(172.5m)」は世界で最も高い宗教建築となる。
技術の進化: かつては難航した工事も、近年は3D構造解析技術や3Dプリンターを駆使することで劇的にスピードアップした
日本銀行本店

設計者(最重要): 東京駅なども手がけた「日本近代建築の父」と呼ばれる建築家、辰野金吾(たつのきんご)の代表作。
様式: ベルギー国立銀行などを模範とした、ルネサンス様式を加味した重厚なネオ・バロック様式(古典主義建築)。
構造: 1階は強固な石積み、2〜3階は煉瓦を芯材として外側に薄い花崗岩・安山岩を貼ることで、上層部を軽量化している。
シンボル: 正面中央には美しいドーム(丸屋根)を戴き、中央銀行としての威厳を象徴している。
上空からの見た目: 建物の配置を上空から見下ろすと、漢字の「円」の字の形に見えるといわれている。
当時の最先端設備: 日本で2番目とされるエレベーターや、防火シャッター、水洗便所などの最新設備が導入された。
高い耐震性: 非常に頑丈に作られており、1923年の関東大震災の激しい揺れでも建物自体は倒壊しなかった
シュレーダー邸

立地と設計者: オランダのユトレヒトに建つ、建築家ヘリット・リートフェルトの代表作で世界遺産。
デザイン思想: 芸術運動「デ・ステイル」を象徴する、直線、平面、そして三原色(赤・青・黄)と無彩色(白・黒・灰)による構成。
外観の特徴: 白や灰色の「面(プレート)」と、色鮮やかな「線(フレーム)」が立体的に交差する彫刻のような外観。
2階の間取り(超重要): 2階の居住空間は固定された壁がなく、可動式の「引き戸(パーティション)」で自由に仕切れる。
空間の柔軟性: 昼間は仕切りを開け放して「1つの巨大な大空間」、夜は閉じて「個人の寝室」に変化するフレキシブルな設計。
内外の連続性: 大きなガラス窓や、角(コーナー)に柱を置かない開放的な窓配置により、内部と外部の庭が一体的につながる。
家具との統一感: リートフェルト自身がデザインした名作椅子「レッド&ブルーチェア」など、インテリアも建築と同じ思想で統一されている。
サヴォア邸

立地と設計者: フランスのパリ郊外(ポワシー)に建つ、ル・コルビュジエが提唱した「住宅は住むための機械である」という思想の結晶。
近代建築の五つの要点: コルビュジエが提唱した「近代建築の五つの要点(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面)」を完璧に体現。
ピロティ(最重要): 1階の大部分を柱だけの開放的な空間(ピロティ)とし、2階の居住空間を宙に浮かせたような外観。
スロープによる動線: 内部中央には1階から屋上までをなだらかに繋ぐスロープ(傾斜路)があり、移動しながら空間の変化を楽しめる。
水平連続窓: 部屋の壁面に沿って横に長く連続する「水平連続窓」を設けることで、均一で豊かな自然光を堂内に採り入れる。
屋上庭園: 傾斜屋根を廃した平らな陸屋根(ろくやね)の上を、自然と触れ合える「屋上庭園」として有効活用。
構造の自由: 鉄筋コンクリートの柱と床で建物を支える「ドミノシステム」により、間仕切り壁を自由に配置できる
落水荘(カウフマン邸)

立地と設計者: アメリカのペンシルベニア州に建つ、20世紀の三大巨匠のひとりフランク・ロイド・ライトの最高傑作。
デザイン思想: ライトが提唱した、自然の景観と建築が完璧に融合する「有機的建築」を体現した世界遺産。
大胆な配置: 滝を眺めるのではなく、あえて「滝の真上」に建物を載せ、リビングの真下を川が流れる奇抜な設計。
キャンティレバー(重要): 崖の岩盤を支点とし、川に向かって巨大なコンクリートの「片持ち梁(キャンティレバー)」のテラスを突き出している。
外観の特徴: 空中にせり出した白い水平なテラスが幾重にも重なり合う、力強く彫刻的な外観が特徴。
素材の対比: 地元で採れた「荒い石積みの垂直の壁」と、滑らかな「コンクリートの水平なテラス」が美しい対比を生む。
自然の取り込み: リビングの床には、敷地に元からあった天然の岩盤がそのまま突き出しており、暖炉の炉床として利用。
内外の連続性: コーナー(角)に柱を置かない開放的なガラス窓により、室内にいながら周囲の森と一体化する空間を実現。
ファンズワース邸

基本情報:アメリカのイリノイ州プラノにあり、ミース・ファン・デル・ローエが設計。 [1]
構造形式:鉄骨造(S造)平屋建てで、高床式の床を持つ構成。
空間構成:外壁にガラスを採用した、仕切りのないワンルーム(ユニバーサルスペース)。
コアシステム:中央に厨房や浴室などの設備をまとめたコアを配置。
架構の特徴:H形鋼の柱に床と屋根のスラブを溶接したプレハブ手法。
床の浮遊感:柱がスラブの側面で接合され、床が浮いているような視覚効果。
平面のモデュール:床タイルの寸法を基準に、建物全体の割付けを決定。
ピロティの応用:川の氾濫対策として、床面を地上から約1.5m高く設定。 [1]
内部と外部の連続性:全面ガラス張りにより、周囲の自然環境と一体化する空間。
試験の急所:コルビュジエの「サヴォア邸(RC造)」との構造や素材の違いが頻出。
神奈川県立近代美術館

基本情報:日本の神奈川県鎌倉市にあり、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三が設計。
歴史的価値:1951年に開館した、日本で最初の公立近代美術館である。
階数と構造:鉄骨造(S造)の地上2階建て(1階の一部に大谷石積みを採用)。
平面計画:2階の展示室は、中庭(ライトウェル)を囲むロの字型(回遊式)の平面構成。
ピロティの配置:1階を開放的なピロティとし、中庭や周囲の自然環境と流動的に接続。
水辺との調和:2階の展示室の一部が、隣接する鶴岡八幡宮の平家池にせり出す構成。
架構の特徴:池の中に立つ2階を支える柱には、シャープな鉄骨のI形鋼が使われている。
照明計画:2階展示室の天井には、自然光を効果的に取り入れる採光のための工夫がある。
試験の急所:コルビュジエ設計の「国立西洋美術館(RC造・中心が吹き抜け)」との違いが頻出。
現在の状況:現在は「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」として保存・活用されている。
ロンシャン教会堂

基本情報:フランスのロンシャンにあり、モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエが設計。
構造形式:鉄筋コンクリート造(RC造)で、自由な造形が特徴的な20世紀の宗教建築。
屋根の造形:カニの甲羅から着想を得た、シェル構造のような厚みのある不整形な曲線屋根。
光の演出:分厚い南側外壁に大きさや形の異なる開口部をランダムに配置。
ステンドグラス:開口部にはめ込まれた彩色ガラスを通して、内部に神秘的な光を導入。
スリットの効果:壁と屋根の間に意図的な隙間(スリット)を設け、屋根が浮いているように見せる。
屋外礼拝堂:東側の外壁面には、屋外の広場に集まる群衆に向けて説教を行う屋外祭壇を設置。
壁体の特徴:以前の教会堂の瓦礫を再利用した、白く塗られた厚い組積風のコンクリート壁。
作風の転換:サヴォア邸などの「直線の建築(機能主義)」から、「曲線の建築(表現主義)」への転換点。
試験の急所:規則的なモデュールではなく、彫刻的で有機的な造形である点が正誤問題で狙われる。
国立代々木屋内総合競技場

基本情報:日本の東京都渋谷区にあり、戦後日本を代表する建築家である丹下健三が設計。
構造形式:高張力鋼のケーブル(ワイヤーロープ)を吊り下げて屋根を支える吊り屋根構造。
空間の特徴:内部に柱を一本も立てないことで、大空間とダイナミックな造形を同時に実現。
第一体育館(主競技場):2本の主柱の間に渡した主ケーブルから、屋根を2方向へ吊る(懸垂)構成。
第一の平面形状:2つの半円を少しずらして組み合わせたような、三日月形(巴形)の平面。
第二体育館(別館):1本の主柱からケーブルを螺旋状に引いた、巻き貝のような形状の吊り屋根。
構造と意匠の融合:坪井善勝(構造家)との共同により、構造美をそのまま意匠に昇華させた傑作。
避難計画:スタンド裏の通路や大階段など、大観衆をスムーズに誘導・退場させる動線計画。
歴史的背景:1964年の東京オリンピックの競泳・バスケットボール会場として建設された。
試験の急所:第一と第二の「主柱の本数の違い」や、「吊り屋根」の構造特性が記述で狙われる。
国立京都国際会館

基本情報:日本の京都府京都市にあり、コンペで選出された大谷幸夫が設計。
構造形式:鉄筋コンクリート造(RC造)で、日本初の本格的な国際会議場。
伝統の造形化:合掌造りや神社の柱など、日本の伝統的な木造建築の意匠を現代建築に昇華。
独特な架構:傾斜した柱と梁を組み合わせた、台形と逆台形が連続する「V字形・台形骨組」。
平面計画:中央のロビー(大樹の幹)から各会議場(枝葉)へと繋がる、明快な動線構成。
断面の工夫:台形断面の空間により、上部へ行くほど広がるダイナミックな内部空間を実現。
周辺との調和:比叡山や宝ヶ池などの豊かな自然景観と、建物のシルエットが美しく調和。
プレキャスト:工期短縮と意匠の統一のため、外壁などにPC(プレキャストコンクリート)板を多用。
試験の急所:日本の伝統美を「木造」ではなく、「RC造の力強い造形」で表現した点が頻出。
出題の傾向:日本建築史の文脈(モダニズムと伝統の融合)において、作品名と特徴の不適当選択肢で狙われやすい。
シドニーオペラハウス

基本情報:オーストラリアのシドニーにあり、国際コンペで選ばれたヨーン・ウツソンが設計。
構造形式:鉄筋コンクリート造(RC造)で、幾何学的なシェル構造を組み合わせた大空間。
外観の造形:ヨットの帆や貝殻を連想させる、白い放物線状のシェル(殻)が連続する外観。
球体からの切り出し:複雑な曲面は、すべて同一の仮想の球体(一種類の半径)から切り出した設計。
プレキャスト:シェル部分は、工場や地上で作られたPC(プレキャスト)コンクリートの肋骨材を接合。
敷地の特徴:シドニー湾に突き出たベネロング・ポイントという岬に位置し、三方が海に囲まれる。
空間の構成:巨大なプラットフォーム(基壇)の上に、コンサートホールや劇場が並ぶ構成。
仕上げの工夫:白いシェル表面には、光を美しく反射・吸収する2種類の特殊な磁器タイルを採用。
世界遺産:20世紀を代表する現代建築の傑作として、2007年に世界文化遺産に登録された。
試験の急所:デザインの美しさだけでなく、「球体幾何学によるプレキャスト化」という構造的工夫が頻出。
住吉の長屋

基本情報:日本の大阪府大阪市にあり、独学の建築家である安藤忠雄が設計。
構造形式:壁式鉄筋コンクリート造(壁式RC造)の、地上2階建ての極小住宅。
敷地の条件:古い木造の三軒長屋(間口約3.6m、奥行約14m)の中央の1軒を建て替えた。
平面の構成:平面を厳密に3等分し、その中央部分を屋根のない中庭(光庭)とした。
動線の特徴:1階の厨房から居間へ行くにも、2階の寝室から子供室へ行くにも、必ず中庭を通る。
外部との関係:道路側(正面)には一切の窓(開口部)を設けず、玄関のドアだけを配置。
光と通風:周囲を閉ざす代わりに、中庭から自然の光、風、雨などの四季を内部に取り込む。
意匠の特徴:安藤建築の代名詞である、装飾をそぎ落としたコンクリート打放し仕上げ。
住まいへの挑戦:生活の利便性よりも、「自然と共に生きる芸術的な空間」を優先させた。
試験の急所:敷地全体の「3分の1」を中庭とした大胆な平面計画と、外壁に窓がない点が頻出。
以上が二級建築士の建築史の問題によく出てくる建築です。やはり世界史の建築の規模と装飾が圧巻ですね。一度は訪れてみたいです。では。。。

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