桜も散って昼と夜の気温差がますます大きくなってきました。そのせいか風邪をひいてしまい、特に咳が止まらなくなり、何年かぶりに咳止めを飲んでいました。みなさんも体調管理に気を付けてください。
ところで本題ですが、最近、日本各地の不動産調査をする中で、各地の特徴を知るために、博物館やお土産店を訪問するようにしています。そこでよく目にするのが、「日本の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されました。」です。新潟調査で「にいがた偉人文化館」を訪問したときや、沖縄調査の時に瑞泉の酒蔵を見学した時に、「日本の伝統的酒造りはこんなところがすごい」とアピールされていました。

ここで私が聞きかじったなかで、日本の酒造りで何がすごいのかを述べたいと思います。
日本の酒は、米と水と、麹と酵母から作ります。麹は米の中のでんぷんを糖に変えて、酵母は糖をアルコールに変えます。同じ酒でもワインは、ブドウには糖がふくまれているので、麹が不要です。つまり、糖を作る工程が必要な分、日本の酒造りは手間がかかるということですね。
先ほど材料は米と水と麹と酵母だけと述べましたが、それぞれの材料がとんでもなくこだわりがあります。コメは、国産品種、タイ産品種や、水も酸性かアルカリ性か、さらに、ミネラルが入ったほうがいいか。麹は黒麹なのか、黄麹なのか、酵母に至ってはどんなけ種類があるかわかりません。このように種類があるだけでなく、それぞれの材料の、磨き度、分量、温度、湿度、時間など、管理しなければいけないパラメータの組み合わせは無限にあるわけです。その中で、それぞれの材料の特性を理解し、適切な条件で管理することでおいしい日本の酒ができるわけです。
あと日本の酒造りは、日本の気候をうまく活かして醸造しています。特に日本酒においては、秋収穫したコメを使って、秋、冬の気温が比較的低いときに醸造します。これは、醸造の途中で、材料を蒸したり、冷やしたりしないといけないので、夏の温度が高いときだと温度管理が難しいと聞きました(秋冬は農家の人が暇になるので人を雇うのも都合がいいという理由もあるそうです)。確かに機械で冷却している酒造もあるそうですが、私が行った酒造は大体が、外気冷却でした。蒸した米を広げて均一に冷やす必要があるそうです。
以上のように、材料、醸造工程にいろいろこだわりがあり、それぞれ違ったおいしさがあるので、「日本のお酒っておもしろい」といえると思います。みなさんも、酒造やみそ蔵の見学を行ってみて、日本の発酵文化をすごさを再認識されてはいかがでしょうか?
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